パニック障害と不安神経症    
 

 

パニック障害とは、

突然出現する不安発作(パニック発作)をくり返す疾患で、
症状は動悸、息苦しさ、胸の苦しさ、
場合によっては「このまま死んでしまうのではないか」
「自分がコントロールできなくなるのではないか」
「狂ってしまうのではないか」
といった死の恐怖、発狂恐怖などをともないます。
発作そのものは数分でおさまることが多く、
長くとも
30分から1時間すると自然に落ちつきます。
発作の出る前にストレスがあることが多く、
精神的なストレス(職場や家庭の対人関係)や
身体的なストレス(徹夜や長期の残業、深酒)が誘因となります。
しかし何の誘因もなく突然おこるケースもあります。

不安発作(パニック発作)には
基本的には体質的な要因があると考えられ、
治療には薬(抗不安薬や一部の抗うつ薬)が効果があります。
症状出現後まもなくの急性期には特に奏効します。
   治療がうまくいけば3ヶ月程度でかなり落ちつき、
その後
12年で薬を飲まなくてもよくなったり、
少量の薬で大丈夫になります。

不安神経症

しかし、しばらく時間がたって、急性期の発作がおさまっても
不安が続くことがあります。これが
不安神経症です。
この場合の不安は発作そのものではなく、
「発作が起こるのではないか」との予期不安です。
予期不安は、発作の起こると困る場所、状況に対して強くなり、
電車(特に急行など途中で止まらないもの)、
高速道路、飛行機、映画館、美容院等で出現します。
   この予期不安のため、発作の出そうな場所・状況を
回避するようになり回避行動がひどくなると、
日常生活や仕事などが非常に制限されます。

これをくり返しているうちに劣等感や2次的な抑うつ気分が
出現することもあります。

不安神経症はこのように心理的な不安と回避行動が主なため、
薬よりも森田療法のような行動を中心とする精神療法が奏効します。